きらきらひかれ

歌って踊るって難しいね!

ジャニーズJr.は伊達じゃない

 2018年3月のYoutubeでのジャニーズJr.チャンネル開設を皮切りに、滝沢社長の怒涛の仕事っぷりでJr.界隈がずいぶん賑やかになっております。面白そうな人たちは気になってしまうみ~は~気質なので、昨年終わりから私もジャニーズJr.履修中です。

前記事でも書いたとおり、私の中のジャニーズJr.のイメージはタッキ―率いる黄金期でほぼ止まっていました。

デビュー組となれば自然に仕事っぷりが目に入ってきますが、「ジャニーズJr.としての活動」をちゃんと見るのは約20年ぶり(!)です。20年前は私自身が子どもだったので社会人の今と比べてJr.を眺める視点自体が違うし、時代そのものの変化も大きくあるのですが、見れば見るほど、いまのジャニーズJr.って大変だな~~!!(すごいな・・・!)と思わされます。努力する彼らがキラキラしてて魅力的なことは変わらないですが、昔よりもずっと大変そう、に見える。正直、不憫だなと思ってしまう瞬間もあります。

何が違って見えるのか、ざっくりとまとめてみました。ここでいう「昔」というのは嵐がジャニーズJr.だった約20年前くらい、を指しています。その間の変遷は詳しくないのでざっくりとした感想としてお読みください。

 

①グループ体制が強まっている

昔からユニットはあったけど、雑誌に出る時やバックに付くときの単なるくくり、という印象でした。ダンスのレベルとかサイズ感が同じ子たちが一括りにされる、みたいな感じで、衣装もみんな同じデザイン(デザインと言うか、ただのシャツとかだけど)で色でちょっと違いを出す(メインは赤、お兄さん組は青、ちびっこ黄色、とか)程度でした。そう考えてみると、今の少年忍者(25人所属!)がそのまま昔のジャニーズジュニアの形に近い気がします。ひとつの集団の中に、ハンドマイクを持つメイン・ちびっこ・アクロバット組、などに色分けされてる感じ。立ち位置的に川崎皇輝くんがタッキ―、みたいな。本人の中に大人が入ってそうな所も似ている。

いつからグループ制が強化されたのか分からないんですが、Jr.時代に結成したグループでそのままデビューまで行ったのはKAT-TUNが最初でしょうか?黄金期にジャニーズJr.というブランドが確立してJr.単体でも稼げるようになっていき、Jr.の構造自体が変わっていってるんだなと思います。デビュー前にグループ活動を始めるようになってきて、現在はジャニーズJr.ブランド強化の方針により、グループ戦国時代の感があります。

※ユニットとグループの厳密な違いが分からないのですが、ここでは「オリジナル曲」を持つかどうか(あり:グループ、なし:ユニット)で区別して呼び分けることにしています。

当時ジャニーズJr.で東京ドーム公演とかしていたけど、あくまでタッキ―のカリスマ&知名度と、集団の総合力勝負のお祭りでした。グループがない分、今より個人は立っていたのかもしれません。

今はJr.内グループに所属してるか、無所属か、でまず大きな線引きが入るように見えます。「無所のJr.」って言葉はいつからあるんだろう。すごい言葉ですよね。本来ジュニアの所属は「ジャニーズJr.」という集団以外にはないやんと思うけど、これだけグループ単位で仕事されると本人たちもグループへの帰属意識が強くなってしまうわけで、「無所属」という言葉の存在とその響きの心許なさが、今の子たちの大変さを表してる気がしてちょっと切なくなります。

でもそのグループ編成も、やはりJr.なので割と変動があるわけで、本人も応援する側も、あくまでデビューまでは個人戦なんだという意識は完全に捨てられません。でも所属するグループ(とそこにいる自分)を守るためには、グループとしての人気と魅力を高めて大人が簡単に手だしできないようにしたいから、グループとしての向上も必要・・・。それこそYoutubeチャンネルはグループ戦で、グループ内のポジションとかバランスを考えてやってるのが伝わってきます。

Jr.のうちにオリジナル曲や衣装(しかもお金がかかっている)があるのもすごいなと思うのに、さらに単独公演もしちゃうじゃないですか、しかも兄組は横アリとかで。少クラで1曲パフォーマンスするのと、自分たちだけで2時間くらいお客さんを楽しませるのってぜんぜんレベルが違う話で、グループとしての魅せ方を考えつつソロもあったりするわけで…いや求められるレベルの高さよ。もはや「デビュー」とは?

でも与えられたハードルを越えつづけていかないと先が開けないわけじゃないですか、でそのハードルを一緒に越えた仲間と絆が生まれちゃうのは当たり前じゃないですか。でもその頑張って作った形とか絆は、いつ大人にぐしゃってされるか分からないじゃないですか(泣)。いやー、しんどい。

突き詰めたらどうしたってしんどい状況なので、そこを考えててもしょうがない、常に全力を出して今を楽しんでやるしかない、っていう腹の据わり方が、Jr.をキラキラさせるんだろうなーとは思います。刹那的な輝き。(でもそれが=若さの持つ輝きなのか?)

 グループ強化の弊害は、もちろんデビュー時に解体&合体なんかした時のネガティブインパクトが大きいのが一番ですよね。デビューまでの実験としての組み合わせなら、グループ単位で仕事をこなせばこなすほど思い出が残って残酷。

あとグループ内ポジションによって「この役割だけやっておけばOK」となると、苦手な部分を伸ばす時間が減るのかなとか。自分が一番下手くそ、という集団に入るとか、違う役割を与えられて伸びる部分もあるはずだし、あまりグループの垣根が高くなりすぎないでほしいな、とは思います。

※グループ強化の結果としてLove-tuneの全員退所という展開にもなったと思うので(このニュースを知った当時はなんか分かんないけどジュニアが凄いことになってるな、と驚きました)、Love-tuneがジャニーズ退所後どうなっていくのか、外野ながらすごく興味があります。彼らが積み上げてきたスキルが活かされないのは本当にもったいないし、発揮できる場所があるといいなと勝手に願っています。 

 

②ものすごくちゃんとしている

 昔のJr.に比べて、今のJr.はちゃんとしてるなーと思います。Jr.と言っても、今は年齢の幅も広がってるから比較は難しいけど、昔は本人たちも言ってる通り「部活の延長」のノリで楽しんでる感が結構ありました。そのままテレビに出てるから、8時だJ同窓会で当時の映像を見ても受け答えがゆるいわ生意気だわ、タッキ―以外はただの子どもたちって感じで、ヒロミさんすごかったな!と思います。ニノも当時の自分の受け答えを見て「今のJr.は絶対言わないよね」と言ってる通り、今のJr.は真面目というか聡いというか、アイドルをやってることに対して自覚的なのか「部活の延長ノリ」を脱するタイミングが早いのかなと思います。ISLAND TVでちびっこたちがわいわい戯れてるのを見て、その普通の無邪気さが昔っぽくてなんか懐かしいなと思いました。

パフォーマンスも平均レベルが高くなっていると感じます。特にダンスは、習い事として小さいころからダンスをやる子どもが増えて、ダンスが昔より身近になってる影響もあると思います。ジャンプがデビューした時も、山田くんがジャニーズに入る前にダンスを習っていたと聞いて、時代だなあと思ったのですが、キンプリでは平野・高橋2名がジャニーズ入所前からダンスを習っていて、しかも高橋海人くんはコンテストに出るレベルのキッズダンサーだったわけで、がちがちのヒップホップ踊ってた子がジャニーズに来たってことがすごく面白い。踊る人が好きな私としては、がぜん注目してしまいます。そういう子と一緒に踊ってたら自然と集団のレベルも上がっていくし、Jr.になって初めて踊りを覚えた子ばかりの黄金期よりも、「踊れる子」の基準は上がってるなと思います。歌も、分かりやすく下手な子って見かけない気がします。キンプリもみんなソロパートがあって生歌で歌ってて、えらい。

 

③「アイドル的ふるまい」を内面化している

小難しい書き方しましたが、単純に「カメラアピールですごい表情作るんだなー」と思ったという話です。特に「かわいいアピール」(首こてん!、目も口もきゅるん!きゃはっ!みたいなやつ)がすごく新鮮でした。(ちなみに「ジャニーズ的カッコつけ方」のフォーマットは赤西亀梨が作ったものから更新されてない、ように見える、源流はキムタクだけど、これはまた別で書こう)

黄金期の人たちは、8時だJでバラエティを経験してるせいか、Jr.の頃から「かっこいい」よりは「面白い」を求められたと思うんですよね(じゃないとテレビに映らない)。だから未だに、タキツバも嵐もエイトも、かっこつけてキメ顔する場面になると、恥じらいが出ちゃってふざけがちだなと思うのですが、今の子たちは恥ずかしがらずバチバチに決めてくる感じがします。

話が大きくなりますが、48グループの誕生あたりから、「アイドル」という存在が市民権を得て、いまや自称すれば誰でもアイドル、という時代です。バーチャルもいるし。その中で歌と踊りのパフォーマンス以外の「アイドルスキル」というものが存在している、というのが社会認識になったんじゃないかと思っていて、いまや歌と踊りよりそのスキルの方が優先されている気すらします。歌って踊る(のが好きな)子が「アイドル」と言われていたけど、今は「アイドル」がやりたくてそのツールとして歌と踊りをしているというか。

その「アイドルスキル」とは、丁寧なファンサービスとか、カメラに抜かれた時のカメラアピールとか、キャッチフレーズをつける自己紹介とか、「キャラ」が必要だという考え方、とかです。全部、大所帯のグループの中で個人を覚えてもらうために始まった文化だと思うのですが、アイドルというのはそういう「アイドル的ふるまい」をするもんだというイメージが、男性アイドルにも浸透している印象です。

ちょっと前ならキザ、ぶりっ子(表現がすでに昭和)とか言われたポーズや表情でも「ちゃんとアイドルとしてふるまっている」として高評価を得るというか、「あざとい」という言葉のマイナスイメージがアイドルに限っては良しとされていて、男子も「かわいいキャラ」の子は「きゅるん♡」みたいな表情するもんだ、クサいセリフでもキャーって言われるならやる、という共通認識があるように思います。ちょっと前は親しみやすい、自然体のアイドルらしくないアイドルが受けたけど、今は一周回って自覚的にアイドルをする子が「意識が高い」と評価される時代なのかなと思います。

少クラも胸キュン劇場とか長尺でやりますよね、私は「胸キュン」より「面白い」が欲しい人間なのでたいがい反応に困ります。壁ドンに始まる、少女漫画的胸キュンを求める流れってどこから来てるんでしょうね?

こういうことを書いてると頭に浮かぶのはケンティーなんですが、ちょっとケンティーは突き抜けてるので評しがたい。表情で言うと、なにわ男子の大西流星くんが「かわいい」を極めていて「師匠」と呼びたくなる貫禄です。

あと「アイドル的ふるまい」として思い出すのが、なにわ男子の西畑くんとLilかんさいの西村くんのジャニーズウェブでの文章の書き方です。話題になってて覗いただけなので他のJr.の書き方と比較はできないんですが、まず分量がすごかった。内容も、何を書いたらファンの人が喜ぶかを考えて書いてる感じ、全方位に気を配っている感じがして、まだ若いのにものすごく自覚的にアイドルしてるんだなーとちょっと恐ろしさすら感じました。地頭の良い子たちなのでしょう。言及した名前がやたら関西ジャニーズになってしまったのは他意はないですが、関東以上に関西の子たちがより頭を使って活動してるように見えるのも事実です。環境的にそうならざるを得ないともいえる。

 

SNS全盛時代にアイドルでいる

ジャニーズに限らず、SNSが当たり前にある時代でアイドルやるのってめちゃめちゃ大変だろうなと思います。しかもJr.だと半分一般人だし普通の学生だったりもして、プライバシーはどこまで配慮されてるんだろうか?

デジタルネイティブ世代からしたらSNSはもう当たり前の存在なんだろうけど、写真も動画も不正確な情報もすぐに拡散する時代に、名前も顔も世間に出して若いころから生活する精神的負担は、昔よりずっと大きいんじゃないかと思ってしまいます。

Jr.の子たちもエゴサーチしてるとか、SNS見てるんだろうなと思わせる発言をしますが、ダイレクトにファンや世間の反応を見られるのはプラスになるとしても、同時に心ない誹謗中傷もあるわけで、メンタル強くないとやっていけないだろうなーと老婆心ながら心配したりします。有名人はみんなそうだとは思いますが、幼いころからストレスフルな環境にいるのは大変。

ついこないだも、フェイクニュースの「令和イレブン」が拡散した翌日に、SixTONESが「少年たち」の実演MCでそれをイジった(ことである意味けん制した)と知って、「ジャニーズ新時代」を実感しました。まあSixTONESだから出来たことではあると思うので、彼らの強さも再認識しました。

デビュー組ではありますがキンプリ岩橋くんとセクゾ松島くんのパニック障害も、こういう時代の性質と無関係ではないんじゃないかと思うので、みんなお願いだから健やかにいてくれ、と願っています。

 

 ⑤競合勢力が増えている

ネットの影響力が強くなって、ジャニーズ以外の歌って踊る人たちを目にする機会が増えました。

まずはK‐POP勢。歌と踊りの基本スキルが高いK-POP勢は、Youtube中心にネットを通じて人気が浸透して、今は一つのエンタメジャンルとして日本に定着したと思います。日本のテレビで露出せずともアリーナクラスの会場を埋めるグループもいるし、戦略としてネットでの国外への広報が強い&著作権や肖像権の意識がゆるゆるなのもあり、さくっとググった時の情報量(動画量)がジャニーズとはけた違い。

そしてLDHのトライブさんたち。初期EXILEは男らしいイメージだったけど、きれいなイケメンを増やしグループも増殖し、演技方面にも進出し、HIROさんのやり方がここまでジャニーズ的になるとはびっくりです。

ほかにも全然くわしくないけど、俳優事務所が作るグループとかいろいろいますよね。地下アイドルもいるし。

さらに若手俳優さんも、顔もスタイルも良くて演技も上手な人がいっぱいドラマや映画に出てるし、さらに歌まで歌う人もいます。2.5次元なるジャンルもあります。

ジャニーズタレントの競合相手は以前よりずっと増えているように見えるし、顔の良い子、ダンスや歌に興味がある子の選択肢はジャニーズ入所以外にもたくさんあります。K-POP好きで韓国デビューを目指してダンス習っている子もいる。金指くんが「3年A組」見て菅田くんの髪形を真似したように、菅田くんに憧れて歌も演技もやりたいと思ってトップコート行く子がいてもおかしくない。SNSで有名なイケメンになることも出来る。

そういう状況で、ジャニーズという老舗だけどかなり特殊な世界に飛び込んで頑張ってるJr.は本当にえらいなー、立派だなーと思います。他者の活動が見えているからこそ、ジャニーズ的な美意識とかジャニーズの利点にも自覚的になると思うし、そのあたりも今のJr.が「ちゃんとして見える」理由の一つかな、などと思います。

 

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ジャニーズJr.の活動を見ていると、ここがジャニーズの本丸、ジャニーズワールド・・・!とあらためて感じました。 ジャニーさんの気配を色濃く感じますね、元気そうでなにより。ひっさしぶりに少年倶楽部を見たりして、Jr.たちが先輩の曲を歌い継ぐことで、衣装も含めて伝統を引き継いでいるんだなーとしみじみ歴史を感じます。嵐もその歴史の一部なんだなって、当たり前なんだけど嵐だけ見てると忘れがちな点を思い出したりして、面白い。あと単純に、Jr.だとあらゆる先輩とお仕事をするしあらゆるグループの歌を歌うので、見てるだけでデビュー組全体のお勉強になって楽しいです。ジャニーズの好きな曲が増えるし、懐かしい歌とか嵐の歌を歌ってくれるのも超楽しい。あれもこれも歌って欲しくなる。デビュー組を応援していたら、そこまで他グループの情報とか音楽とか入ってこないんですよね。デビューしたら他グループの歌を歌う機会なんて、カウコンとかくらいだし。ジャニオタの最終地点はJr.担と聞いたことがありますが、たしかにJr.のところに来るとあらゆる先輩グループに回遊可能になることが分かりました。よく出来たシステム。

同じジャニーズの枠組の中にいるとはいえ、Jr.はジャニーさんが船長のでっかい船に乗っていて、デビュー組は独立したそれぞれの船に乗りかえて進むんだな、と思いました。Jr.時代はジャニーさんの庇護のもとであらゆるトンチキワールドを経験しながら競い合って力を蓄え、そこを卒業したら、自分の船に乗って自分たちで漕いでいって、自分たちの力で船をでっかくしていかなきゃいけない。顔が良いだけじゃやっていけない世界。頑張るのは当たり前の世界。そこで踏ん張る人たちみんなの幸せを願いたくなってしまいます。

そんな気持で聞いていると、ジャニーズJr.が浮かんでグッときてしまう翔くんのラップパート(まだ自作じゃないころ)を載せておしまいにします。誰か歌ってくれないかな。

いろんな物 ただ作られて 心もなく捨てられてく街

いつか今を振り返る 自分がここにいたと思い出して

魂で生きてたと言えるように 言えるように

君を友を愛を抱きしめてやる

嵐 SUNRISE日本